
未払賃金立替払制度は、企業倒産等により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、国が未払賃金の一部を立替払いする制度です。
立替払を受けることができるのは、次のすべての要件を満たしている場合です。
倒産には大きく分けて「法律上の倒産」と「事実上の倒産」2つの場合があります。
[1]破産、[2]特別清算、[3]会社整理、[4]民事再生、[5]会社更生の場合
この場合は、破産管財人等に倒産の事実等を証明してもらう必要があります。
事業活動が停止し、再開する見込みがなく、賃金支払能力がない場合
この場合は、労働基準監督署長の認定が必要となります。
立替払の対象者は、倒産について裁判所への申立て等(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署への認定申請(事実上の倒産の場合)が行われた日の6か月前の日から2年の間に退職したもので、未払の賃金がある労働者です。
立替払額は未払賃金総額の100分の80相当額になりますが、年齢によって限度額が設けられています。
年齢 | 未払賃金限度額 | 立替払限度額 |
---|---|---|
30歳未満 | 110万円 | (×80%)→88万円 |
30歳以上45歳未満 | 220万円 | (×80%)→176万円 |
45歳以上 | 370万円 | (×80%)→296万円 |
未払賃金が2万円未満の場合は立替払の対象となりません。
また、未払賃金には、退職手当は含まれますが、賞与は含まれません。
未払賃金の立替払事業は、独立行政法人労働者健康福祉機構が実際の業務を行っています。
未払賃金の請求は独立行政法人労働者健康福祉機構に対して行います。
High Fieldグループには、弁護士だけでなく社会保険労務士が所属しており、未払賃金の立替払請求の手続を代行することができます。
「従業員のために立替払いの手続を取ってあげたいけれどもよく分からない」という場合には、社会保険労務士にご相談ください。