従業員解雇・退職後の諸手続
会社が破産したときの雇用保険(失業保険)について
会社が破産して解雇された従業員は突然給与が支払われなくなり、生活に困ることになります。 雇用保険(失業保険)はそういった人達の救済のための制度です。特に会社の倒産や解雇等で離職した人は、雇用保険の加入期間と退職したときの年令が考慮され、自己都合での退職より、雇用保険(失業保険)の給付日数が多かったり、給付制限がかからなかったりして優遇されています。
加入期間
雇用保険(失業保険)を受けるためには自己都合等で退職した場合は、最低12ヶ月間の在職期間が必要ですが、倒産・解雇等で離職した場合は最低6か月間の在職期間で雇用保険(失業保険)を受ける事ができます。
給付制限
雇用保険(失業保険)を受けるためには離職後に公共職業安定所(ハローワーク)に行き、求職の申し込みをした後で7日間の待機期間経過後に失業状態であることが必要です。しかし、自己都合等で退職した場合は7日間の待機期間経過後に更に3ヶ月間の給付制限があります。一方、倒産・解雇等で離職した場合は給付制限がかかりません。
雇用保険(失業保険)を受けるには離職票を持ってハローワークへ行き手続きをする必要がありますので、早く雇用保険(失業保険)を受けられるようにするには離職票の発行手続きを急ぐ必要があります。
雇用保険(失業保険)の額
雇用保険(失業保険)は退職前の給与を日割した額に年齢や日割額によって45%~80%の率をかけた出した日額が、失業している日数によって支給されます。離職理由や勤続年数、年齢等によってその支給される日数が異なります。
在職年数によっては解雇等で離職した場合の方が自己都合で退職した場合より支給される日数が多くなっています。
倒産・解雇等で離職した場合の給付日数
年齢/勤続年数 | 1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
30歳以上 35歳未満 |
90日 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上 45歳未満 |
90日 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上 60歳未満 |
90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上 65歳未満 |
90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
年齢/勤続年数 | 10年未満 | 10年以上 20年未満 |
20年以上 |
---|---|---|---|
全年齢 | 90日 | 120日 | 150日 |
このように倒産や解雇等と自己都合で退職した場合には給付制限の有無や最高給付にも差がでる場合があります。
倒産や解雇での雇用保険(失業保険)の優遇措置を受けるためには
会社の倒産や解雇で雇用保険(失業保険)の優遇措置(特定受給資格者になる)を受けるためには下記の理由によって離職する事が必要です。
特定受給資格者の要件
- 解雇 (自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した者
- 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者
- 賃金 (退職手当を除く。) の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった月が引き続き2か月以上となったこと等により離職した者
- 賃金が、 当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した (又は低下することとなった) ため離職した者(当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る。)
- 離職の直前3か月間に連続して労働基準法に基づき定める基準に規定する時間(各月45時間)を超える時間外労働が行われたため、又は事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者
- 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行って いないため離職した者
- 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないことと なったことにより離職した者
- 期間の定めのある労働契約(当該期間が1年未満のものに限る。)の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったこと(1年以上引き続き同一の事業主の適用事業に雇用されるに至った場合を除く。)により離職した者
- 上司、 同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者及び事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の措置を講じなかった場合
- 事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者 (従来から恒常的に設けられている 「早期退職優遇制度」 等に応募して離職した場合は、 これに該当しない。)
- 事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3か月以上となったことにより離職した者
- 事業所の業務が法令に違反したため離職した者
※これ以外にも特定受給資格者の要件があります。
※雇用保険(失業保険)を受けられるのは雇用保険の被保険者に限ります。
労働保険、社会保険の廃止、清算について
会社の破産等により事業所を廃止する場合などは、労働保険(労災・雇用保険)や社会保険(健保・年金)の廃止手続きも必要となります。
特に労働保険は、見込みでその年の保険料を先に支払っておく制度です。事業所の廃止手続きを行う事で、支払った保険料の一部が戻ってくる可能性があります。
詳しくは当グループの社会保険労務士にお尋ねください。
サポート料金
当グループの社会保険労務士が労働保険(労災・雇用保険)と社会保険(健保・厚生年金)の資格喪失手続きや事業所の廃止手続きのサポートをいたします。
労働保険・社会保険資格喪失手続き
社会保険 | 5,000円(税抜) |
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雇用保険 | 5,000円(税抜) |
離職票の発行、任意継続被保険者等手続がある場合は各5,000円(税抜)加算いたします。
労働保険・社会保険事業所廃止手続き
社会保険 | 30,000円(税抜) |
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雇用保険 | 30,000円(税抜) |
資格を喪失する人数によって割引サービスもございます。
詳しくは当グループの社会保険労務士にお問い合わせください。