
「会社での事業をやめたい。」「会社をたたみたい。」という場合の手段は、倒産だけではありません。
どんなに財務状態が良く優良な企業であっても、極端に言えば負債がまったくない会社であっても、経営者と株主の判断により、会社をたたむことができるのです。
これが会社法で定められている会社の解散・清算の制度です。
会社以外のほとんどの法人についても、それぞれの根拠法に解散・清算の制度が設けられております。
会社は営利を追及していく団体ですが、「この時点をもって営利の追及をやめる」と決めることが会社の解散であると言えます。
解散後の会社は、営利の追及でなく、財産の処分、債務の弁済などのために(言い換えるなら、清算のためだけに)存在することになります。
なお、株式会社では、株主総会の特別決議によって解散することができます。
解散後の会社は、営利事業を営むことができなくなります。
解散後の会社は、財産を処分してゼロにすること、債務を弁済して(あるいは債権放棄・免除を受けて)ゼロにすることを目的として存続しますが、この財産や債務をゼロにするために行う一連の活動が清算です。
清算が終了し、会社に財産と負債がまったく存在しなくなることを清算結了と言い、この清算結了をもって会社は法的に消滅します。
会社の解散・清算の流れを簡単に表すと、次のとおりです。
よく勘違いされているのですが、「解散」しただけでは会社は消滅しません。
「清算が結了」してはじめて、言い換えるなら財産と債務をゼロにしてはじめて会社が消滅します。
ということは、債務をゼロにできなければ会社を消滅させることはできませんが、会社の財産を処分しても債務を完済できない、いわば債務超過の状態にある会社が債務をゼロにするためには、債権者から債務免除を受けるしかありません。
普通に考えて、「ウチの会社は廃業するから、債務免除してください。」と頼まれて素直に応じる債権者はいませんよね。
債権者から債権放棄を得ることは通常は困難ですので、債務超過の会社は、解散・清算の方法によって会社を消滅させることはできないと思っていただいたほうがよいでしょう。
債務超過の会社を消滅させるには、原則として会社の破産を申し立てる必要があります。
債務超過ではない会社が解散・清算をする場合、会社法の定めに従って手続を進める必要があります。
進め方を間違うと、下記のような問題が生じる可能性があります。
以上のような問題を起こさないためにも、弁護士や司法書士に法務面でのスケジュール立案はお任せください。
なお、High Fieldグループでは、ご要望によっては、清算人への就任もお引き受けしております。
詳細については、お気軽にお問い合わせください。